整形外科医の私も経験した腰痛・しびれ/腰の重だるさが足のストレッチで楽になった話
今から7年ほど前のことです。患者さんをベッドから移乗させようとした際、腰に少し違和感を覚えたのが始まりでした。
数日から1週間ほど経つと、歩行中に左のふくらはぎにしびれを感じるように。「これは腰の椎間板ヘルニアだろう」と思い、知人の医師にお願いして腰椎MRI検査を受けたところ、やはり椎間板ヘルニアでした。神経の痛みを抑える薬を処方してもらい、歩行中のしびれ自体は改善しました。
薬や注射でも残った「腰の重だるさ」
しかし、腰の違和感や重だるい症状だけは、その後もずっと続きました。日常生活に支障が出るほどではないものの、常に気になる状態です。
知り合いの整形外科医に腰への注射(トリガーポイント注射など)を打ってもらったり、リハビリに通ったりもしましたが、すっきりとした改善には至りませんでした。「まあ、上手く付き合っていくしかないか」と半ば諦めかけていたのです。
変化のきっかけは「足のストレッチ」
そんなある日、妻に勧められて寝る前に足のストレッチ(アキレス腱伸ばしや長座体前屈など)を始めました。
最初はこの写真のように長座体前屈をしても手が足の指に届かず、アキレス腱をしっかり伸ばせず、「自分はこんなに体が硬かったのか」と痛感したのを覚えています。


ストレッチを始めた当時の、体が硬かった頃のイメージです。最初は本当にこれくらい手が届きませんでした。
それでも毎日続けていると、徐々に柔軟性が戻り、手の指が足の指へ届くようになり、アキレス腱も伸ばせるようになっていきました。


そして驚いたことに、柔軟性が高まるとともに、長年気になっていた腰の重だるさが大幅に軽減していったのです。完全にゼロになったわけではありませんが、日常でほとんど気にならないレベルまで改善しました。発症のきっかけ自体は椎間板ヘルニアでしたが、痛みをかばう動作が日常化してしまい、結果として下肢全体の柔軟性低下につながっていたのではないかと考えています。
痛みの原因は「腰」だけとは限らない
この私自身の経験から、「腰に症状がある場合でも、下肢(太ももやふくらはぎなど)へアプローチすることで改善するケースがある」ということを実感しました。
当院では、腰痛でお悩みの患者さんに対しても、触診や身体所見を通じて下肢の柔軟性低下がないかを念頭に置いて診察を行っています。
具体的には、
触診や超音波(エコー)で筋肉が硬くなっている部位を見極め、注射治療を実施して筋肉の緊張を和らげる
リハビリテーション(運動療法)を組み合わせ、注射効果の維持・向上と再発しにくい身体づくりを目指す
といった多角的なアプローチを取り入れています。
「腰が重だるい」「身体が硬くて腰に負担がかかっている気がする」と感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

